『ドラマ』伊藤くんAtoE 第1話 【Aぞんざいに扱われる女(前編)】 -あらすじ
振り向いてもらおうと一途に尽くすのに、痛烈に拒絶される痛々しい女性を演じる。
©ドラマ「伊藤くんAtoE」MBS 8月21日放送より
第1話のオープニングまでは別の記事で紹介したので、島原智美(A)の話に移ってからを紹介します。
第1話は、 一人目の相談者である島原智美(佐々木希)と伊藤くんのストーリー。島原智美は合コンで知り合った伊藤くんともう5年間付き合っているはずなのに、まだ一度もセックスをしていないし、デートも殆どしていないと恋愛がうまく行っていない。
矢崎莉桜(木村文乃)は恋愛相談を受けながらその様子をイメージし、頭の中で二人のドラマを繰り広げて行く。そして、島原智美の行動を客観的な視点で辛辣に批判し、毒づく。島原智美の恋愛はどんな結末を迎えるのか。
矢崎莉桜は、ドラマの企画が飛びそうな田村(プロデューサー)から、脚本を書くことと、恋愛相談企画でドラマのネタを掴むことを高圧的な態度で依頼される。
煙草を吹かし、険悪な表情をする矢崎莉桜。
矢崎莉桜は、島原智美の恋愛相談に乗りながら、伊藤くんの人物像を探っていく。
©ドラマ「伊藤くんAtoE」MBS 8月21日放送より
矢崎「伊藤君は一体どういう男性なんでしょう?」
島原「アルバイトです。塾の講師の。あとは……、夢を追いかけています。脚本家を」
島原が鞄の専門店に勤めていることを話し、回想(矢崎莉桜の想像)が始まる。
©ドラマ「伊藤くんAtoE」MBS 8月21日放送より
店内の風景のあと、矢崎莉桜が回想の中に現れ、「後輩に見透かされても気づかない、自称、完璧な先輩」とさっそく毒づく。
矢崎「プライドだけは守りたい、不自由な女」
矢崎「結局、値段の高さが判断基準」
続いて、下着売り場にて、島原智美は高級な下着を購入する。
自分が抱かれる姿を妄想する島原智美。
そんな島原智美を眺め「居たたまれない」と評する矢崎莉桜。
『主体性ゼロ、都合のいい女』タイプであると判断する。
<書店にて> 恋愛指南書のハウツーを覚えようとする島原智美。
そこに、伊藤くんが現れる。
矢崎「伊藤はいわゆる俺様系――、アイツか……!」
と、プロデューサーの田村伸也(田中圭)の姿を伊藤に重ねる。
©ドラマ「伊藤くんAtoE」MBS 8月21日放送より
©ドラマ「伊藤くんAtoE」MBS 8月21日放送より
島原智美はハウツーを実践して伊藤くんを振り向かせようとするが、応用が利かず失敗。二人は食事に行くが、向かった先はなぜかラーメン屋。
©ドラマ「伊藤くんAtoE」MBS 8月21日放送より
優越感に浸りがために、島原智美に暴言を吐く伊藤くん。
想像なので、隣の席に矢崎莉桜が居る。ビールも飲む。
島原智美は、伊藤くんに頼まれていた塾の同僚へのお土産、グミを手渡す。
センスだけは信じられていて、それですべてを肯定された気持ちになる。
©ドラマ「伊藤くんAtoE」MBS 8月21日放送より
伊藤くんは、塾や昨日みたドラマの愚痴を話し始め、
「あと、俺、好きな人できたからさー」と突然の告白する。
その台詞に「そんなもんよ。あなたの価値なんて」と矢崎莉桜は愉悦の笑みを浮かべる。
動揺を隠し、なんとか話を合わせようとする島原智美。
食事を終え、自分のラーメン代以外を島原智美に押し付け伊藤くんは店を出て行く。
店を出た後、必死になってあとを追いかける、みじめな島原智美。勇気を出してホテルに誘い、抱きとめようとするも、「いるんだって、好きな女がぁ」と伊藤くんに拒まれる。
©ドラマ「伊藤くんAtoE」MBS 8月21日放送より
逃げるように帰って行く伊藤くんの後ろ姿を、島原智美はただ見送るしかなかった。
――ここでBGMが流れる。(スピッツ 【冷たい頬】)
©ドラマ「伊藤くんAtoE」MBS 8月21日放送より
場面は、恋愛相談をしていた事務所に戻る。
島原「もう好きかどかわからなくて、ただ意地になってるだけかもしれません」
矢崎(そこまで言葉にできるのに……)冷めた視線
©ドラマ「伊藤くんAtoE」MBS 8月21日放送より
島原智美に一通のメールが届く。伊藤くんからのライブの誘いだった。
矢崎「そういった男性に駆け引きは不要です――」
ドラマ脚本のネタ作りのため、島原の背中を押す矢崎莉桜。
いざ、ライブ会場に向かうと。
©ドラマ「伊藤くんAtoE」MBS 8月21日放送より
見知らぬ女性が現れ、会場まで手を引かれる島原智美。
©ドラマ「伊藤くんAtoE」MBS 8月21日放送より
宮田「ほらっ、楽しもー、ともちゃん!」
島原「ちょっと待ってください。……伊藤君は??」
宮田「あいつ?……来ないよ」
場面は再び事務所に戻る。田村と矢崎莉桜の二人。
田村は自分のアイデアが思ったより上手く進んでいることに満足げに笑う。
田村「いいですねぇ、動き出したじゃないですか」
矢崎「そう、良かった」
田村「男の方が謎だけど……。何なんだ、こいつ?」
田村「狙いましょう、第二の東京ドールハウス」
壁に貼ってある東京ドールハウスのポスターのキャストが田村とA~Dの女として、矢崎莉桜の目に幻覚として映る。
田村「何か思いつきましたか?――期待してますよぉ、矢崎先生」
矢崎「ご勝手に。面白くなるかどうかは、この子次第」
言って矢崎莉桜は島原智美のポラロイド写真を見つめた。
第1話【ぞんざいに扱われる女(前編)】――終わり。
原作との違い
小説での島原智美
・身長168cmのすらりとした体形、整った顔立ち、普通のOLにはないこなれた雰囲気と品が漂っている
・明るくしっかりもので、店長候補。先輩後輩問わず好かれている。
・悪いところを指摘されても、すぐに直すぐらいの柔軟さは持ち合わせている。
・内面ではズバズバとした物言いで、プライドが高い。
・「うだちん」と呼んでる友達がいる。
原作を読んでいたので、島原智美のキャラクターは茶髪で、アパレル業界にいるサバサバした女性をイメージしてました。女子力高くて気が強いから、男のだらしない所に合わせらなくて、意外にも彼氏がいないみたいな。
ドラマの島原智美はお嬢さま然としていてで、生真面目、不器用で女友達も少なそうといった印象。原作はエンタメ小説って趣でもないので、ドラマ化に辺り物語の緩急をつけるためにも、【ぞんざいに扱われる女】としてのみじめで、哀れで、観ていて「可哀そうだ」と思わせる要素を強くしたのだと思われます。
小説での宮田真樹
「私、宮田真樹です。マッキーでいいよ。伊藤君のお友達だよね?」
ハスキーボイス。赤毛のショートカット。驚くほど小顔でハーフのような美人。長身。ゴツッとした質感のアクセサリーを揺らし、レザーのジャケットにファストファッションを着こなす。スタイリスト。
こちらは大分しっくりきました。ピアスつけたバンギャみたいな女を想定していましたが、山下リオのにへらっとした笑顔とか、屈託のない感じの表情がイイですね。
回想の始めに出てきた鞄
若いカップルが、鞄の値段が20万円であるのを聞いて、店を急いで出ていくシーンがありますが、その二十万円の鞄は原作では島原智美は「ハンキュー」と呼び自身と重ね、『品質もデザインもいいけど、誰からも必要よされない……。でも物語最後に売れる』という島原智美のメタファーとしての意味を持っています。
▶続き、第2話の紹介に移ります。
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